花村萬月『自由に至る旅』
破天荒な人生を経て芥川賞を受賞した花村萬月が綴る若き日の放浪記。
2001年06月刊。集英社新書というちょっとマイナーな感じがとてもいい(^^)。
どうも個人的に取っつきにくさを感じるところがあって、芥川賞受賞作『ゲルマニウムの夜』さえ未読なのだが、たまたま目にした『自由に至る旅―オートバイの魅力・野宿の愉しみ』には一発で興味をひかれ、購入した。
オートバイとは、人を殺す可能性のあるものです。
で、始まるまえがきにはどこか説教臭さを感じないでもないが、言っていることは紛れもなく正論。
普段はほとんど意識しないことだけど、万一、当事者になったときには字面以上に重たい意味を持つ。
もう20年ほど前になるが、僕の古くからの友人から、不幸にもバイクでお年寄りをあやめてしまった友人がいる、という話を聞いたことがある。
結果としてそれはお年寄りに非があったということで処理されたそうなのだが、法律上と道義上の問題はまったく別である。
その人にとっては生涯外れることのない重しとなっているかもしれない。
とはいえ、本書はそういう本ではない。
基本的には著者の若き日の放浪記である。
いまとは似ても似つかぬ(失礼)著者の写真も見ることができる。
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コメント
バカヤマびとさん、こんにちは。
『自由に至る旅』は氏が描くフィクションの世界とは全く別物だと思います。
バイク好きにはどこかしらきっと響くものがあるはずだし、共感できる要素を含んでいる気がします。
コメントありがとうございました!
投稿: tono | 2006年8月28日 (月) 00時24分
■自由に至る旅を検索していた通りすがりです
小説の暴力や性描写のイメージが強いせいか、この本を友人にすすめてもあまり読んでもらえないのですけど、まっとうないい本ですよね
同じように思った方がいたんだなとなんだか嬉しくなって書き込んでしまいました〆
投稿: バカヤマびと | 2006年8月26日 (土) 22時10分