日本橋の景観と首都高について考える
首都高完成以来、東海道を含む五街道の始点であり江戸の象徴でもあった日本橋は、高架の下で日の光を浴びることのない世界に押し込められてしまった。
その日本橋の屋根と化した首都高を移転させる話が、小泉首相の肝いりで検討されることになった、という記事が数日前に日経新聞に載っていたが、日本橋 みちと景観を考える懇談会が4つの移設案を公表した。
内訳は高架案1つと浅い地下案3つ。
1.高架 日本橋川の北側
2.浅い地下 川の北側
3.浅い地下 東半分は南側、西半分は北側
4.浅い地下 川の南側
浅い地下としているのは、おそらく日本橋の景観という点に絞った移設案だからだろう。
しかし日本橋の屋根を取り除くといっても、その作業は単にその部分だけを他に移すというわけにはいかない。高架案なら東京の一等地で土地の買収が必要になるし、地下案にしても接続点での土地買収は欠かせない。浅い地下を通すということになれば、あるいは地券の問題も絡んでくるかもしれない。実現に向けた道のりは険しそうだ。
そもそも、現状の首都高全体に関わる疑問もある。
現在、首都高は環状線を充実させることによって、中心部の慢性的渋滞を緩和しようとしているわけだが、果たして試算通りの緩和が達成できるかどうか?
18年度中には開通するといわれている中央環状新宿線がどの程度の効果を上げるかには注目したいが、いずれにしても片側2車線の法定70キロの高速道路。環状線の充実だけではいずれ限界がきそうな気がするし、(おそらく)わかっていて日本橋の景観だけのために現行インフラに手をつけるというのも、個人的にはちょっと疑問がある。
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コメント
shinさん、こんにちは。
コメント、ありがとうございます。
日本橋の件、個人的にはあそこだけ屋根をどければOKって問題ではないように思います。
債務返済の行方も不透明な現状で、景観の一言で(決して少なくない)億単位のカネを動かすことに、国民の納得を得られるともちょっと思えませんしね。
リンク、拝見しました。
交通ルールの件、まったく同意見です。車のドライバーにとって、我々バイク乗りを迷惑的存在とする人がいても否定しません。ただ一方で、(同じことですが)自分の前にいるくらいならとっとと先に行ってくれ、という思ってるドライバーも少なくないような気がしますね。
投稿: tono | 2006年1月20日 (金) 22時11分
何故かトラックバックできませんでしたのでコメントにて失礼します。
http://shinweb.mydns.jp/blog/ms.cgi?t=sketch&blogid=&ShowDiary_file=/bike/TalkAbout/1137488750
日本橋の件については、各方面でケンケンガクガクのようですね。
投稿: shin | 2006年1月20日 (金) 20時23分