バイクの馬力自主規制撤廃
今さらという感じではあるが、今日2007.08.01発売のバイク雑誌にバイクの馬力自主規制撤廃に関する記事がこぞって書かれている。
この報道がなされたのが、先月2007.07.06前後だから、バイク雑誌で書かれるのは当然このタイミングになる。
ずっと以前、このサイトで車の馬力自主規制撤廃記事について書いた。
http://tono.way-nifty.com/bike/2004/10/post_aefd.html
2004.10.20だから、いまから約3年前。このタイミングで当時の新型レジェンドが280馬力を超える300馬力のスペックで規制撤廃後の第1号車として市場に登場したことを書いている。
で、その時になんと書いたかというと、早晩バイクにおいてもこの自主規制は撤廃され、車よりも大きな影響を受けそうだ、ということを書いている。
まず、タイミングについて言えば、ずいぶんかかったなという印象がある。なぜ、3年もの時間が必要だったのか理解に苦しむが、まぁ、それは今さらどうでもいい。車に比べてはるかに市場規模の小さいバイクは、常にこの種の規制緩和や撤廃で後回しにされる運命にある。
問題は、今後この規制撤廃が市場に与える影響である。正直なところ、3年前に思っていたよりも、その影響はかなり小さいのではないだろうか、というのがいまの感想だ。
中古市場においては常に高年式が高値で取引されることはたしかだが、さりとて、パワーが市場においてどれほどの影響力を持っているか、ということを考えると、いまはさほどの力を持っていないように思える。もちろんフルパワーという言葉で逆車をもてはやす空気はいまでもないわけではないが、そこには稀少車という意味合いも多分に含まれている。少なくとも、規制が始まった頃に比べると、パワーにこだわるユーザーの規模ははるかに小さくなっている。
20年前にはパワーがモデルを牽引するようなところがあって、パワーそのものが販売台数に直結するくらいの意味を持っていた時代すらある。
ただ、いま、自主規制撤廃の意味を考えるとき、たとえそれが事故の増大というトンチンカンな理由付けであったとしても、たしかに意味はあっただろうというのが僕個人の考えだ。
それはパワー=売れるバイクという方向性からメーカーが脱却しただけでも大きな意味がある。あの規制によって、現在のパワーに頼らない魅力的なバイクもたくさん誕生したし、メーカーだけでなくユーザー自身も成長した。いまや、社会そのものの空気が馬力重用に頼らない方向に向かっているし、環境問題やガソリン価格の高騰もそれを後押ししている。おそらく、今後はR1にせよZZRにせよ、これまでの規制値を破ったニューモデルが発売されるだろうが、これまでのような馬力競争という方向に向かう可能性はかなり低いだろうと思う。
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