高速道路無料化実験2010.06開始について
昨日、高速道路無料化実験について、対象となる37路線50区間路線が発表された。
地域が全国に渡って細切れで効果が疑問であるとか、6月という時期が選挙直前ということで選挙対策ではないのかとか、ほとんど評価する声が聞こえてこない今回の発表であるが、そのことについて云々するつもりはない。与党になった民主党に思惑があるのは当然であろうし、それは50年にわたって自民党がやってきたことでもある。おそらく、選挙をにらんだ政策方針は7月の参院選が終わるまでは変わらないだろうと思う。7月の参院選で自民党が惨敗した暁に、民主党がどういう政治を行ってゆくか、僕個人の民主党に対する評価はそのあとにしたいと思っている。
ここでは僕が利用しうる可能性のある路線についてのみ、現時点で思っているところを書き留めておきたい。
僕が年内に利用しうる可能性のある路線は
西湘バイパス
新湘南バイパス
箱根新道
中央道・大月ジャンクション-須走
八王子バイパス
あたりになろうかと思う。
このうち、もっとも利用する可能性が高いのは西湘バイパスと箱根新道である。この二路線について考えてみたい。
西湘バイパスについては生活道路という側面もあろうかと思う。料金は500円玉でおつりが来るくらいだから高くはない。個人的には料金と利便性のバランスのとれた有料道路という印象を持っている。
ただ東名高速に直結する路線ではないため、効果としては限定的で、もちろんそれも無料化の候補になった理由のひとつと思われる。その証拠にほぼ近い場所をとおって東名に直結している小田原厚木道路は今回の無料化に入っていない。東名に直結する道路では渋滞や観光バスなどの公共機関への影響が大きくなりすぎると考えたのだろう(利用料金の違いもあるかもしれない)。
しかしながら、いうまでもなく利用者受益という面からいえば、より多くの人に有益なのは小田原厚木道路の無料化だろう。西湘バイパスだと神奈川県の一部の人にしかほとんど効果はないと思う。東京埼玉千葉方面から、週末、箱根へ遊びに行ってわざわざ西湘バイパスを使って大磯まで出て、そこからわざわざ下道を使って東名厚木で乗り直すような人はほとんどいないはずだ(ちなみに西湘バイパスの無料区間は西湘二宮-石橋・箱根口間となっているが、この区間の料金所は一ヶ所だけなので、おそらく大磯まで無料で出られるはずだ)。
しかし報道が報じる空いている高速道路が中心といういわれ方で、西湘バイパスは例外的な路線のひとつにあたると思う。西湘バイパスは週末や観光シーズンには確実に渋滞する区間ができる路線である。箱根新道にしても無料となれば確実に混むはずだ。特に湘南方面から東海地方を目指す(あるいはその逆)トラックドライバーの中にはこれまで高速料金を節約するために下道を使っていたドライバーが少なくない。6月以降、多くの大型車両がこれらの有料道路に流れると思う。もしかすると渋滞はかなり深刻なものになるかもしれない。一方で、箱根に関していえば、ターンパイクが大きな打撃を受けそうだ。ここにはTOYO TIRESビューラウンジという雑誌にもたびたび登場する有名なドライブインがあるが、利用者が急減するようだと経営そのものにも影響が出るかもしれない。そもそもターンパイク自体が赤字体質で外資に買収されてファンド化された経緯があるだけに、箱根新道無料化は脅威だろう。
いずれにしても今回の実験によって無料化される各路線周辺の交通事情は一変するはずで、それらのデータがどのように分析されてゆくかはとても興味深いところだ。
中央道の大月ジャンクション-須走間の無料に関していえば、今年の夏は富士五湖へゆく観光客が激増することが確実だろうな。このあたりに行くなら6月前に一度行っておきたいところだ。
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