« 不況下の駐輪場事情 | トップページ | モーターサイクルショー2010 »

2010年3月 3日 (水)

人身事故顛末

昨年起こした二回の事故のうち、一度目は3月に起こした事故。
これはGPZ900Rで起こした人身事故だった。
ninjaで事故を起こすのは購入直後以来2度目のこと。最初の事故は信号待ちをしていて後ろから追突されたものだったが、今回はこっちが追突することになった。

場所は中央分離帯のある片側三車線道路で緩やかなS字になっているカーブ。時間は早朝、まだ日の出前で街路灯も少なく周囲は暗かった。
僕は次の信号を右折するために、中央分離帯側の車線を走行していた。ほかに車の交通はなし。
ふと見ると、前方を自転車が分離帯側の車線をふらふら走っている。自転車故に反射板以外の認識表示がなく(この自転車は後ろのカゴに車用の三角板を固定していたが古いものでまったく反射せず)、気づくのが遅れたせいもあってブレーキをかけるも間に合わず、後ろから追突してしまった。
自転車は前に転げるように倒れた。
相手はすぐに起き上がったが、ともかく自転車とバイクを端に寄せて、警察に110番通報した。携帯電話とはかくも便利なものかと改めて思った。近くに公衆電話は見当たらず、携帯のない時代なら連絡手段を探すだけでかなり苦労したことだろう。
ほどなく、まず近くの交番から最初の警官が到着。さほど間をおかずに交通事故処理の班が到着して、現場検証が始まった。
相手はもう90にもなろうかというお年寄りだった。
当然追突した僕も悪いが、警察側の見解はむしろ分離帯側の車線を走っていた相手側に厳しかった。酒を飲んでいたんじゃないか?とまで問われていた。
相手は最初のうちは平気といっていたが、顔から落ちたせいか顔面が明らかに腫れていたため、警官の薦めで救急車で運ばれ、のちに脚に軽度の骨折も判明したようだ。
現場検証は1時間弱で終了。
その後、僕は仕事へゆき、その後、事故処理に当たった警察に出頭。その場で相手の容態を聞くつもりでいたのだが、いった時点ではまだ病院から連絡がないという。すでに数時間経っていたので、さすがに心配になる。担当警官に身元引受人はいるか?と名前を聞かれたのは、おそらく相手が亡くなった際に拘束され、身元引受人に出向いてきてもらわねばならないためだろうと推測する。
結局、1時間ほど待ったあとに高齢故に出血がなかなか止まらなかったせいで、命には別状なしとわかり、とりあえずはほっとした。

事故処理のほうは保険屋が一切の面倒を見てくれる。一応、数日してから家族の方に一度見舞いをしておいたが、以降は保険屋の処理に任せることになった。

一般的に人身事故を起こすと民事、刑事、行政と三つの処分義務が発生することになる。このうち民事に関しては保険に入っていたおかげで、大幅に負担が軽減された。

残る二つのうち、まず行政処分について。
いわゆる処分点数である。人身事故では通常最低でも4点の行政処分が下されるのが一般的だという。実際、僕は10年以上前にこの4点の行政処分を受けたことがある。このときはほぼ一方的に僕の側に非があったと思う(相手もバイクだった)。
今回の場合を単純に当てはめてみると、6点減点相当があてはまりそうだ。
ただ、今回の事故は相手が自転車とはいえ、相手側に相当の過失が認められ、事故後に相手側の親族の方とも話したのであるが、「警察の話ではこちらが悪かったようで……」と逆に謝られた上に、もしも処分されるようなことになれば、こちらからも話をするというような言葉までいただいた。しかし結局のところは減点を免れることはできなかったようで、数ヶ月後にたまたま免許の更新があったのだが、違反者講習を受ける羽目になった。何点残っているのか確認していないが、おそらく4点だと思っている。

そして刑事処分について。
こちらはいわゆる罰金・禁固に関する処分である。
以前の4点減点の際には罰金はなかったように記憶している。しかし今回調べてみると、一般的には行政4点減点の場合では15万~20万程度の罰金が一般的のようだ。6点だと20万~50万。小さくない額だ。これを払えないようだと、禁固刑によって支払ってゆくことになる。

近年、引いた相手を引きずったまま逃げるなどの凶悪なひき逃げ事件が多発しているが、テレビで見ている分には「とんでもねぇ野郎だ」で終わってしまう。僕などはこういう事件を目にするたびに、捕まったあかつきには死刑でいいんじゃないか、とさえ思っていた。でも、一方でもし自分が当事者になったときにどんな対応がとれるか?ということは、どこか心の中で疑問も持っていた。
しかし今回自分が実際に事故を起こしてみて、意外なほど迅速に事故の処理を行えたことに安堵している。周りに車の通りはなく、逃げようと思えばできた状況で、そんな気持ちは頭の角にものぼらなかった(仕事に遅れるな、という気持ちは少しあったけど……)。常識的なことをただやったに過ぎないのだけれど、近年はあまりにショッキングな交通事故事件が多いために、こんな時にも思わず自らを問うてほっとしたりする。まぁ、困った世の中だ、と言うこともできるか。
いずれにしても今回は運がよかった。
そして保険屋のありがたみが身にしみた一件でもあった。現在の保険料は原付特約込みでも月々2000円弱。たったこれだけの出費で民事に関する事故処理が大幅に軽減されるなら本当に安い。実際、もし保険に入っていなかったとしたら、相手の治療にも支障をきたし、こちら側に対する印象が悪くなれば、それが刑事・行政処分の判断にまで影響を及ぼす可能性もあったはずだ。罰金50万の処分を考えれば、年間3万にも満たない保険料なんて微々たるもの。
自賠責加入は義務として当然としても、任意についてもいまやそれに近い存在だと思う。若年者にとっては保険料も高く、重い負担かも知れないが、いざという時には補ってあまりある助けになってくれる。是非おすすめしたい。

| |

« 不況下の駐輪場事情 | トップページ | モーターサイクルショー2010 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 人身事故顛末:

« 不況下の駐輪場事情 | トップページ | モーターサイクルショー2010 »